一九七〇年代後半以降、多くの先進諸国では、住宅政策が持家促進政策に傾斜したし、公共借家(社会住宅)セクターの縮小・残余化が進んできた。しかし、近年において、住宅政策の結果ともいえる住宅事情のあり方は、国によって大きく異なっていることが確認できる。イギリスは、持家が約七割をしめ、住宅ローン債務残高のGDP(国内総生産)に対する割合が八カ国のなかで最も高いなど、持家の市場化が進んでいる。しかし同時に、公共借家(社会住宅)が一割と依然多く、公的住宅手当の受給率が高いという特徴も有しており、社会保障としての住宅にも、多くの費用を費やしている。
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住居費負担が重い世帯の割合は、わずか五%になっている。スウェーデンやフィンランドの北欧諸国をみると、近年持家率が急速に上昇しつつあるものの、公共借家率が依然高く、さらに、公的住宅手当が普及している様子がわかる。また、フランスとドイツの大陸ヨーロッパ諸国は、北欧諸国と同様の傾向をもっている。ドイツに関しては、民営借家が五一%と多くをしめているが、そのなかには社会住宅に近い性格をもつ住宅が多く含まれていると考えられる。
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