週末、明暗を分ける水流し実験がおごそかに行われた。休みの日とあって極力騒音を立てないよう、水道屋、職人、U社長らはバケツに汲み貯めた水を、何度も唯一の鉄管に流し、階下の様子を見に行ったそうだ。私は取材で地方にいた。打ち合わせの最中もそのことが気になり、携帯ばかり見て落ち着かなかった。U社長から連絡があったのは、午後になってからだ。「○○さん、うまくいきましたよ。水漏れもせず、元気良くバケツの水が流れていった。
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水道屋もこれなら大丈夫だろうと言ってくれました」良かった。待ちに待った吉報に私は、ありがとうございましたとお礼を言った。その日は、里山で陶芸を続けるイギリス人の話を聞いていた。ホッとした私は、取材の後、日本の古いマンションリフォームについて、今まで格闘してきた排水管の一件を口にした。集落の外れに建つ古い農家を借りて創作活動を続ける彼は、私の話を聞いて面白いことを言った。「イギリスなら階と階の間がとても広いため、床下もしくは天井裏に人が入れる十分なスペースがある。ところが日本の場合、一つの建物に何階まで作れるかというフロア数が優先されるから、電線や配管工事をするにも職人が難儀するのだ」イギリスで高い天井といえば、魅力ある住宅の代名詞でもある。ceilingはラテン語の「空」を指すcaelumからきていることも興味深い。
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