舞台や茶室という非日常空間に身を置いたとき、ことさら感じることでもありますが、逆に住まいという日常空間においては、住まいによって行動が習慣的に規定されますから、それ以上に大きく影響されると言えるでしょう。例えば、食事をする場が6畳だとすると、そこにテーブルと椅子が置かれていれば、その場は食事の用途にしか利用できない1室1機能空間ですが、かつてのように畳の部屋であれば、同じ6畳でも、食事やゲストルーム、子どもの遊び場など多目的に利用でき、部屋としての広がり感も出てきます。このように、間取りがほんのわずか違うだけで、そこでの生活は全く違ったものになることを知っておく必要があります。キッチンにしても、母親が料理をしているとき、ダイニングやリビングルームから殆ど姿が見えないクローズ型キッチン、常にその様子が見えるオープン型やセミオープン型、また料理は家族全員でやりましょうというメッセージ性を持つアイランド型キッチンなど、用途や機能は同じでも、どの形を選ぶかによって、家族のコミュニケーション密度、スキンシップや気配の感じ方は、大きく変わってきます。
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